「殺戮」

(ラクシャーサ&月夜(黒))

 

 

「……ひとつ聞いておこう。お前は他人に合わせるとかいう思考はあるか?」

 

「それを聞いている時点で、判っておろう?」

 

「だ、ろうな……まあ、いい。なら、勝手にやるか」

 

「うむ」

 

ラクシャーサ・月夜(黒)、共に標的を見据える。

自然体で立っているにもかかわらず、既にその気迫だけで周囲の空気が渦巻く――

 

 

「さあ――パーティの始まりだ」

 

ラク:先行し、拳での一撃。

   そのまま鉤爪のように歪ませた指で数度引き裂くと同時、跳躍――

 

 

「今宵の月に、輝きはないぞ――?」

 

 

月夜(黒):ラクシャーサの残像ごと叩き潰すかのような拳での一撃。

一発で大地は陥没し、標的が沈む。

それを地面から引きずり出し、腹部へ重い拳を二発。

放り捨てるように上空へと放り投げる――

 

 

上空に跳ね上げられた標的を、ラクシャーサの踵落しが直撃。

再び地面へと叩き落される標的を、まるで蝿を手で弾くように月夜(黒)挟撃。

凄まじい勢いで吹き飛ばされる標的が、それでもなんとか踏みとどまった時――

 

 

 

 

「死にたいか? 生憎だが――そこまで俺は優しくない」

「知るがよい。我らに歯向かうことの『愚』かさを」

 

 

 

 

標的の前後に、まるで転移したようなさり気なさですでに到達している二人――

 

その拳を、構えて。

 

 

 

 

「謳え――陰影の夜を」

 

 

 

 

前後からの凄まじい拳の洗礼。

神器を利用することで爆発的に強度と破壊力の増したラクの拳と、

妖力により究極的に破壊力の増大した月夜(黒)の拳がぶつかり合う。

みるみるひしゃげ、原型を留めぬほどに破壊された標的――

 

それでも。

二人の力によって「死ねない」標的、死の激痛だけが永劫に全身を蝕む――

 

 

そして。

 

 

ラクと月夜(黒)、標的の心臓を前後から握り締めて。

 

 

 

 

 

「――終わりだ」

 

 

 

 

 

それを無理矢理――掴んで、引き裂き――相手は、絶命する――